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アートとワインに魅せられた犯人 (A Theif who was taken in by art and wine)

Posted in New! by Administrator on the July 20th, 2011

今月5日にサンフランシスコのウェインステインギャラリーから、パブロ・ピカソの1965年ペンシルドローイング作品”Tête de Femme (女性の頭部)が白昼堂々と盗難にあいました。

販売価格20万ドル(約1千6百万円)は27x21cmと作品としては小さい方であった為か、犯人はギャラリーの店員にも見られず、作品を小脇に抱え店外に出た後、タクシーに乗って持ち去りました。

しかし、犯人の姿はギャラリーの隣にある店の防犯カメラに収められていて、きちんとした身なりをした30歳前後の白人男性であったことも分かりました。

しかし翌日、6日夜にカリフォルニア州ナパにあるアパートでマーク・ルゴ、30歳を被疑者として身柄を拘束し、すでに額から外されFedEx便で送付できるように準備された作品を押収しました。

マーク・ルゴ被疑者はニュージャージー州居住でサンフランシスコに独立記念日の休暇を利用して旅行に来ていたとの事。また彼はニューヨークの高級レストランでソムリエとして働いていました。

ワインを手に持った人物がマーク・ルゴ被疑者

犯行の翌日に被疑者が捕まり、無事作品が回収され、事件が早急に解決出来たのは素晴らしいことですね。この成果は近所にあった防犯カメラにおさめられた犯人の姿とそれを乗せ走り去るタクシーが特定出来たこと、またそのタクシーが被疑者をサンフランシスコの高級ホテル、パロマ―ホテルに乗車させたことが判明したことによると言えるでしょう。

さて、この事件にはまだ続きがありました。

今回のサンフランシスコピカソ作品の盗難事件にあたり、マーク・ロゴ被疑者のニュージャージー州のアパートを捜索した警察はなんと1935年製作のパブロ・ピカソのエッチング作品”Sculpteur et Deux Têtes (彫像と2つの頭部)”やフェルナ・レジェのスケッチ等を含む11点の盗難にあったアート作品を発見、押収したのです。

NYで盗難にあったピカソ作、「彫像と二つの頭部」

盗難にあったフェルナ・レジェ作品

これらの作品はマンハッタンのホテルやギャラリーから今年6月に盗まれたものであることも判明しました。

またマーク・ロゴ被疑者は今年4月に3本で時価6千ドルの2006年Chateau Petrus Pomerol (シャトー・ペトリュス・ポムロール)を盗んだことで起訴され、6月9日に裁判所に出廷することになっていましたが、これを欠席していました。

マーク・ロゴ被疑者は6月に入ってから約一カ月の間にサンフランシスコのギャラリーで行ったのと同じような大胆な方法でこれらのアート作品を盗取しています。警察が被疑者のアパートの捜索をした時にはこれらのアート作品が部屋に堂々と飾られていたそうです。

この話を聞いて、まるでドラマのストーリーのような気がするのは私だけではないでしょう。勿論ドラマであれば犯人は捕まらないのかもしれませんが。犯人とされる人物が高級レストランのソムリエで、旅行に来ているサンフランシスコで滞在していたのも高級ホテル。

警察によるとマーク・ロゴ被疑者は盗品を転売目的で盗んだのではなく自分で所有する目的だったとの見方をしており、また職業がソムリエであることから、ワインに対する造詣と羨望があったものとみています。しかしいくらアートとワインが好きでも、盗みまで働いてしまうのは尋常ではありません。今回マール・ロゴ被疑者が捕まったことで、これからまた事件の真相が解明されていくと思います。

アートとワインに魅せられてしまったマーク・ロゴ被疑者は素晴らしいアートに囲まれた部屋や高級ホテルではなく、しばらくはまったく環境の違う檻の中で過ごすことになりそうです。

本件について進展がありましたらまたお知らせしたいと思います。

今日は何の日 「フリーダ・カーロの命日 (Anniversary of Frida Kahlo’s Death)」

Posted in コレクション,New! by Administrator on the July 13th, 2011

1954年7月13日に47歳という若さで亡くなったフリーダ・カーロ。今日は彼女の命日です。

Photo of Frida Kahlo


Frida Kahlo : The Bus -1929

1907年にメキシコで生まれたフリーダは6歳の時にポリオに罹患し右足が不自由になり、さらに17歳の時には乗っていたバスが路面電車と衝突事故を起こし瀕死の重傷を負いました。この為フリーダのこれ以降の生涯はこれらの後遺症との戦いと、入院中に独学で始めた絵画の創造、また恋愛遍歴とが複雑に絡まりあった創作活動となりました。

Frida Kahlo : Luther Burbank -1931


Frida Kahlo : Frida and Diego Rivera -1931


Frida Kahlo : Henry Ford Hospital -1932


Frida Kahlo : My Birth -1932


Frida Kahlo : My Dress Hangs There -1933


Frida Kahlo : A Few Small Nips -1935


フリーダの才能をはじめに高く評価したのは後に夫となるディエゴ・リベラでした。彼女の生涯は何度か映画化されてもいますのでご存知の方も多いかと思いますが、ディエゴとの結婚生活は波乱に満ちたものでもありました。女性遍歴が有名であったディエゴはフリーダとの結婚後もそれまでと変わりのない女性関係を続け、また一方でフリーダも彫刻家のイサム・ノグチやメキシコに亡命していたレフ・トロツキーとの不倫を重ねるなど、やがて二人は1939年に離婚することとなります。しかし、1年後には復縁、再婚し、その後二人の結婚生活はフリーダの死まで続きました。

Frida Kahlo : Memory -1937


Frida Kahlo : The Frame -1937


Frida Kahlo : Self Portrait with Monkey -1938


Frida Kaholo : The Two Fredas -1939


フリーダの絵画は自己の内部表現を鋭く追及し、ラテンアメリカの色彩豊かな表現と、象徴的な対象の表現など、超現実主義、シュルレアリスムの世界と重なります。

フリーダが表現する世界はある意味、あまりにも赤裸々な自分を表すことでした。ディエゴとの愛憎、怪我の苦しみ、流産。美しい絵画であると同時に、目をそむけたくなるような現実も表現されています。彼女の作品を見る私たちに、フリーダ・カーロという本当の自分を伝えようとした一人の女性の記録であるのだと思います。

Frida Kahlo : Self Portrait 1 -1940


Frida Kahlo : Self Portrait with Thorn Necklace -1940


そして今から57年前のこの日、フリーダ・カーロは次のような言葉を残してこの世を去りました。

    「出口が喜びに満ちてるといい。私は戻りたくない。」

サンフランシスコMoMAに所蔵されるフリーダ・カーロの作品をディエゴ・リベラの作品とともに紹介したKFYAの動画がありますので、もしよろしければご覧ください。

タマラ・ド・レンピッカ Tamara de Lempickaの魅力

Posted in コレクション,New! by Administrator on the July 9th, 2011

                  
                           Self-Portrait

二つの大戦の間に花開き、その後のデザイン・美術・文化に大きな影響を与えることとなったアールデコ。その時期にヨーロッパやアメリカで絶大な人気と名声を誇った女性肖像画家、タマラ・ド・レンピッカ。

                  

彼女の生きざまはそのスタイリッシュで官能的な絵画表現とそのまま重なっているように思います。

裕福なポーランドの良家で生まれたタマラは16歳で美男でポーランド人弁護士のタデウシュ・ウェンピツキと結婚。しかし、その後に起こるロシア革命に巻き込まれフランスに亡命します。働き手とはならない夫に代わり絵描きとして身を立てることにするタマラ。持って生まれた才能と成功への強い意志とで瞬く間に当時のパリ上流社会で成功をおさめます。

                   

狂騒の20年代に彼女の代表的な作品を次々と描く一方、恋多き女性としてボヘミア的生活を謳歌します。1928年にはウェンピッキと離婚、1933年に長年のパトロンであったラルフ・クフナー男爵と再婚しますが、時代はヨーロッパを第二次世界大戦の場に移し、タマラはアメリカへとその生活の場所を移します。

第二次世界大戦は彼女に生活の場所を移させると同時にそれまでの耽美的な人々の嗜好をも変えて行き、彼女の作品もやがて過去の物へと人々から忘れらて行きました。

                

しかし、時代は再び変わり、タマラが亡くなる数年前には彼女の作品が再評価され、ファッション界、芸能界などの著名人がその作品をコレクションし始めました。

今回このブログで紹介するのは1970年代から1980年代にかけタマラの作品を収集したファッションデザイナーのウルフギャング・ジュープが行った2009年に行ったオークションと今年6月にロンドンサザビーズで落札された作品とを中心にいくつかの作品をご紹介したいと思います。

          

          

まず最初に、ウルフギャング・ジュープのコレクションでオークションにかけられた中で最も高値を付けたのは「マージョーリー・フェリーの肖像(Portrait de Marjorie Ferry)」。

               
                     Portrait de Marjorie Ferry

落札価格はバイヤーズプレミアムを入れて489万8500ドルで落札予想価格の400万‐600万の中にとどまりはしましたが、レンピンカのオークション価格の最高額(それまでの最高額は2004年5月「ブッシュ夫人の肖像(Portrait de Mrs. Bush)」が付けた459万9500ドル)となりました。これはリーマンショック後の世界的金融危機の中での大いなる検討だったと思われます。

                   
                       Portrait de Mrs. Bush

また、同額の落札予想価格であった「ド・レ・サル侯爵夫人の肖像(Portrait de La Duchesse De La Salle)は445万500ドルという結果でした。

                  
                  Portrait de La Duchess De La Salle

この時のオークションでレンピッカの作品は「ポーム・ロショウ嬢の肖像(Portrait de Mademoiselle Poum Rachou)」と「カラーの花とアーレット・ブッカール(Arlette Boucard Aux Arums)」がそれぞれ予想落札価格を大きく超え299万4500ドル、148万2500ドルという結果でした。

          
  Portrait de Mademoiselle Poum Rachou     Arlette Boucard aux Arums

また、8月にもジョープ氏の所有作品「レ・テレフォン II (Le Telephone II)」が予想落札価格80万‐120万ドルを大きく超える198万6500ドルで落札されました。

               
                         Le Telephone II

一方サザビーズの双璧であるクリスティーズでも2009年6月にレンピンカ1932年の作品「マダムMの肖像(Portrait de Madame M.)」がオークションにかけられ、それまでのオークション最高額であった先の「マージョーリー・フェリーの肖像」を抜き、バイヤーズプレミアムを含む落札額613万500ドルを記録しました。

               
                       Portrait de Madame M.

そして先月(2011年6月)サザビーズ・ロンドンで行われた印象派・近代美術オークション(先日のエゴン・シーレの作品と同時)で、1930年製作の「眠る女(Le Dormeuse)」が予想落札価格220‐320万ポンドに対し407万3250ポンド(米ドル換算で660万6812ドル)で落札され、レンピッカのオークション史上最高価格の落札となりました。

          
                        La Dormeuse

このように、この2年の間にオークションにかけられたレンピッカの作品はほぼその度にオークション史上最高値を更新しているのがお分かりいただけますよね。勿論、レンピッカの落札価格だけで申し上げるつもりはありませんが、先日も述べた通り、オークション・アート市場はやっと世界金融危機以前のレベルにほぼ戻った状態と言えるのではないでしょうか。

レンピッカの作品は個人的に大変好きで、ちょうど去年渋谷・東急本店横Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されていた「美しき挑発『レンピッカ展 – 本能に生きた伝説の画家 -』」を見に行ってレンピッカの作品群に感動していましたので、このところの史上最高価格更新のニュースを聞いても、「やはりそうか」という感じでさほど驚きはしませんでした。

レンピッカの描き出した洗練された官能の美はこれからも確実に人々を魅了し、将来の取引価値も上昇していくことは間違いないだろうと思います。レンピッカは当然1920年代から1030年代にかけての作品が最も高く取引されていますが、比較的長い活動期間であったアーティストである為、作品はまだまだ市場に出回っています。ペンシル(鉛筆)やチャコール(木炭)の作品は現状でも1万ドル以下でのオークション取引価格となっていますので、これからコレクションを始めたい方にも向いているかもしれませんね。

エゴン・シーレの作品がロンドン・サザビーズで史上最高値を更新

Posted in New! by Administrator on the June 29th, 2011

二十世紀初頭のオーストリア人画家、エゴン・シーレの作品”Huser mit bunter Wasche ‘Vorstadt’ II”(カラフルな洗濯物がある家々 ‘郊外’ II)が6月23日のサザビーズ・ロンドンにて24.7百万ポンド(約32億円)で落札され、シーレの作品としては史上最高額となりました。

          

オークションの予想落札価格が22百万‐30百万ポンドでしたので、予想価格の下の方の落札ではありましたが、2009年に一旦冷えたアート市場の回復を裏付けるものとなりました。

この作品は1914年に描かれ、1918年に28歳でスペイン風邪にて夭折したシーレの最も活躍した時代の物といえます。

このオークションの売り上げは所有者のレオポルド美術館とシーレの1912年の作品”Wally”(ウォリーの肖像)の元の持ち主で第二次世界大戦中にナチスにより作品を略奪されたボンディ家の相続者に支払う和解金として使用されるそうです。

          
          [Portrait of Wally]

過去10年間では2006年に22.4百万ドルで落札された作品を含む(シーレ作品の最高額)わずか3枚のシーレの風景画しかオークションで取引されておらず、大変貴重な販売だったといえます。

因みに、同日に行われた印象派と現代アートの販売総額は97百万ポンドでした。また21日の行われたクリスティーズの同様なオークションでは140百万ポンドの売り上げでしたので、金融危機前のレベルにほぼ戻った結果といえると思われます。

エゴン・シーレは日本でも人気のあるアーティストですが、当時盛んであったグスタフ・クリムトらのウィーン分離派、象徴派、オスカー・ココシュカに代表される表現主義のいずれにも属さず、独自の芸術を追求した画家でした。シーレと同時期の画家グスタフ・クリムト(28歳年上)の作品が美しいエロスを表現した妖しく装飾的な美であるのに対し、シーレの作品は同じ人間のエロスでも極端にディフォルメされた身体に生々しい性を表現したものとなっています。

          
               
          

シーレの作品を見ると、美しくかつグロテスクであるところに人間の内面を描き出す不思議な魅力に心を打たれます。あからさまに表現される人間の性と生。また生まれてきたものが必ず出会う死。シーレの独特な表現は百年の時を経ても私達に衝撃を与えるものです。

          
               

シーレが自画像のためのスケッチに於いて述べている言葉が大変印象的ですのでこちらで紹介いたします。

「僕は思う。現代的な”芸術などありはしない。在るのはただ一つの芸術、永遠に続く芸術だけである。」 

          

マリリン・モンロー「伝説の白いドレス」

Posted in コレクション,New! by Administrator on the June 22nd, 2011

さて、本日は先日6月18日にカリフォルニア州、ビバリーヒルズで行われたオークション(競売会社プロファイル・イン・ヒストリー)で、映画「七年目の浮気」でマリリン・モンローが着用したドレスが460万ドル(約3億7千万円)で、予想落札価格の100万‐200万ドルを大きく上回り落札されました。

     

ニューヨークの歩道にある地下鉄通気口から巻き上げられる風でふわっと浮かび上がりモンローの魅惑的な脚が露わになるシーンは映画好きの人でなくともよくご存じのことかと思います。

このドレスは映画撮影の為にアカデミー衣装デザイン賞を受賞したデザイナー、ウイリアム・トラヴィラによってデザインされたもの。人絹(アセテート)製の白いプリーツスカートはマリリン・モンローのまねをする人がよく着ているので有名ですよね。

ウィリアム・トラヴィラはこの「七年目の浮気」の白いドレスに代表されるドレスの他に、「百万長者と結婚する方法」、「帰らざる河」など、モンローのセクシーな魅力を引き出す衣装のほとんどを彼が手掛けました。

このドレスは女優でハリウッド映画衣装のコレクターであるデビー・レイノルズ(「雨に歌えば」でジーン・ケリーと共演)がその他のハリウッド映画メモラビリアとともにオークションに出品したものです。デビー・レイノルズは1971年に20世紀フォックスからマリリンの衣装を全て購入した際、このドレスを手に入れていました。

このドレスにはいわくがあり、「七年目の浮気」でのこの白のドレスのシーンを見て激怒した当時の夫、ジョー・ディマジオはこの一件の2週間後マリリン・モンローと離婚してしまいました。

またこのオークションではマリリン・モンローの衣装では「紳士は金髪がお好き」で着用した赤のスパンコールドレスが予想落札価格の20万‐30万ドルを大きく上回る147万ドルで落札されたほか、

「ショウほど素敵な商売はない」と「帰らざる河」の衣装も合計120万ドルの値が付きました。

                
              

これまでのマリリン・モンローの衣装では1999年にオークションにかけられた1962年5月にジョン・F・ケネディー大統領の誕生日の際「ハッピー・バースデー」を歌った時に着用していた白いドレスが126万ドルで落札されたのが最高の額でしたから、その記録を大きく塗り替えたといってもいいでしょう。

因みに今回の「七年目の浮気」の白いドレスは電話でのビッターに落札され、オークションハウスへの手数料と税金を合わせると546万ドル(約4億3700万円)です。落札者の身元は非公開なので判りませんが、大変高いドレスの買い物であったことは確かですね。

他にもオードリー・ヘップバーンが「マイ・フェア・レディ」のアスコット競馬場でのシーンで着用したドレスも370万ドル(約2億9700万円)(予想落札価格20万‐30万ドル)、

エリザベス・テイラーが1944年の映画「緑園の天使」で着用した乗馬競技用の衣装が6万ドル(約480万円)、「クレオパトラ」の髪飾りが10万ドル(約8000万円)、

ジュディ・ガーランドが「オズの魔法使い」のスクリーンテストで着用したドレスとルビー色の靴がまとめて175万ドル(約1億4000万円)、

               
          

グレース・ケリーが「泥棒成金」で着用した衣装が45万ドル(予想落札価格3万‐5万ドル)、

ルドルフ・ヴァレンティノが「血と砂」(1922年)で着ていた衣装が25万8000ドル、

               

チャーリー・チャップリンが「チャップリンの失恋」でかぶっていた山高帽は13万5300ドル、

               

ゲイリー・クーパーの「ヨーク軍曹」(41年)の衣装が6万7650ドル、

               

マーロン・ブランドが「王妃デジレ」で着用した戴冠式での衣装が6万ドル、

               

マドンナが「エビータ」で着用した黒のイブニングドレスと靴が2万2500ドル、

               

マイク・マイヤーズが「オースティン・パワーズ:デラックス」で着用した衣装が1万1000ドルで落札されました。

               

今回のオークションの総売り上げは2280万ドルという結果でした。

現在ハリウッド(映画)関連のメモラビリアは大変高い価格帯で推移しています。やはり人気のあった映画、オスカーを受賞した映画の衣装や小道具などは大変強く、男優の物よりも女優の物の方が価格帯が高いように思われます。また、このようなメモラビリアの場合はドキュメンテーションとコンディションが大変重要です。

今回は往年のハリウッド映画関連メモラビリアのオークションでしたが、また面白いオークションがありましたらご紹介致しますね。

Marx&Zavatteroギャラリーの10周年記念「Sea Change」オープニング

Posted in Art exhibit,New! by Administrator on the June 17th, 2011

KYFAが提携するサンフランシスコのMarx&Zavatteroギャラリーが今月でオープン10周年を迎えるに当たり、6月11日から特別記念第一弾として「Sea Change」展を開催中です。11日はオープニングレセプションに行ってまいりました。

「Sea Change」展ではこれまでMarx&Zavatteroギャラリーが扱ってきたアーティストの選りすぐりの作品を展示し、同ギャラリーの10年間の変遷をたどります。

Part Oneとして6月11日から7月16日までに展示されるのは12人のアーティストの作品。複数のアーティスト達の作品を同時に展示することでMarx&Zavatteroギャラリーのユニークな視点と審美眼を見ることができるようになっています。

David Hervel
          
          ”Poke the Milky Way” 74″x32″x32″,
          dog taxidermy form & mixed media, 2011

この作品はデイビット・へヴェルの特徴的な、美しく、綺麗で、グロテスクという、どこか心の奥にざわめきを呼び起こすような作品です。卵から生まれ出た不思議な生命体は空高く舞い上がろうとしているかのようです。

David Lyle
          
          ”They Say that My Uncle is the Black Sheep of the Family”
       31″x28″, oil on panel, 2008

この作品では、いかにも幸せそうな1950年代の白人の家族がピアノの周りに集まって歌っているのですが、一人だけは黒人でアンクルサム(アメリカ合衆国を擬人化した架空の人物、通常は初老の白人男性)の格好をしています。作品のタイトル「私の叔父さんは家族の”Black Sheep”、”厄介者”、”面汚し”と言われている」で、かなりの皮肉が込められています。

Davis&Davis
          
          ”Bungee Baby” (Artist Proof) 49″x41″, c-print, 1996
          
          ”The Bettys” 24″x20″, c-print, 2001
          
          ”The Ralphs” (quadriptych) each 20″x24″, c-print, 1999

KYFAで以前からご紹介しているデービス&デービスの作品です。「The Ralphs (ラルフ家の人々)」は連作で、さすが4枚を一堂に飾るといかに面白いかがよくわかるものとなっています。

James Gobel
          
          ”It’s Not Easy to Let It All Go, But Once in a While it’s Good for your Soul”
       35″x24″, felt, yarn, rhinestones, & acrylic on canvas, 2011

ジェイムス・ゴベルはゲイカルチャーを軽妙に表現するアーティスト。フエルトで作られた作品はポップでキィッチュ。コンテンポラリーアート界でも注目のアーティストです。

Libby Black
          
          ”Brooke in Burberry” 72″x96″, oil on canvas, 2011

リビー・ブラックは現代のファッションカルチャーをその作品に取り入れることで有名です。この作品もバーバリーのトレンチコートを着るブルック・シールズが不思議な庭で一心不乱に庭仕事をしています。巨大な作品とひときわ目立つ色彩で、今回のショーの中で最も目を引くものとなっています。

Matt Gil
          
          ”Rubber Necker” 12.5″x11″x7″, aluminum & asphalt, 2011
          
          ”Space Walk” 50″x16″x11″, aluminum, stainless steel, & paint, 2011
          
          ”String of Beads” 120″x32″x24″, aluminum & paint, 2010

マット・ギルの作品3点です。最も大きい「String of Beads」は購入者の色の好みに合わせアーティストが後で色付けをするものとなっていて、色がいかに作品のイメージを変化させるかが面白いものとなっています。

Michael Arcega
          
          ”Conquistadorkes II”
       72″x54″x24″, manila folders, glue, & acrylic hardware, 2005
          
          ”Woodoodle 4″ 10″x10″, wood on archival board, 2010

マイケル・アセガの「Conquist a Dorkes II」はアーティストの身体に合わせて作られたマニラフォルダー(紙製の書類を入れる事務用品)製の鎧。巧みな技術で立体表現を体現しています。オープニングレセプションにアーティストが来られていましたので話を聞いたところ、この作品はアーティストの本国フィリピンと文化、人種の交流があった欧米のまじりあいを表現したものということでした。

Patrick Wilson
          
          ”Gladiator” 33″x35″, acrylic on canvas, 2011

パトリック・ウィルソンの作品。美しい色彩の調和と幾層にもなる絵の具の重なりから生まれる立体感。ウィルソンの作品は見ているだけでぐっと引き込まれるものがあり、見れば見るほどその作品に引き込まれ、時間や空間を忘れさせてしまうような魅力的なものとなっています。

Paul Paiement
          
          ”Hybrids I – Automeris Stereois”
       30″x49″, wall installation, acrylic on acrylic panel, 2010

ポール・ピアメントは昆虫を現代の電子器具デザイン細部をその絵画に取り入れ使って巧みに表現するアーティスト。近くで見ることで初めて気が付くような不思議な細部や、立体物にすることで生まれる微妙な視覚表現は見ていて飽きることはありません。

Stephen Giannetti
          
          ”Pond” 20″x16″, acrylic on linen, 2011
          
          ”Trompe L’oeil” 20″x16″, acrylic on linen 2011
          
          ”Ultramarine” 36″x36″, acrylic on linen, 2011

スティーブン・ジアネッティは様々な色を6層重ねる円を巧みにその絵画に表現しています。透明な色彩であるため重なった部分の色が微妙に変化し、不思議な視覚のトリックに魅了される作品です。

Taravat Talepasand
          
          ”Mullahs Ghost” 17″x4.75″x4.5″, porcelain & egg tempera, 2011
          
          ”Native Americans Beware of Native Influences”
       17.5″x12.5″, egg tempera & gold leaf on panel, 2008/2011

タラヴァット・タレパサンドはアメリカ生まれのイラン人。彼女はイスラム教文化とアメリカ文化の中で育ち、その矛盾やタブーを作品に表現
しています。

Tim Bavington
          
          ”The Modern World” 30″x30″, synthetic polymer on canvas on panel, 2010

ティム・バヴィントンのカラフルなストライプ表現はそのタイトルにある音楽から得られたもの。12色相で表現される作品は見ているうちに音楽がどこからともなく聞こえてくるようです。

「Sea Change」展は7月16日迄、サンフランシスコのMarx&Zavatteroギャラリーにて開催されています。チャンスがあれば是非直接ご覧下さい。また、ご興味のある作品がありましたら、お気軽にKYFAまでご連絡いただけますと幸いです。

映画・Midnight In Paris/「ミッドナイト・イン・パリ」とガートルード・スタイン

Posted in New! by Administrator on the June 10th, 2011

さて、先日はSFMoMAで行われている「THE STEINS COLLECT Matisse, Picasso, and the Parisian Avant-Garde」展について書きましたが、今回はちょうど時を同じくして上映されているウッディ・アレンの新作映画Midnight In Paris「ミッドナイト・イン・パリ」についてです。

なぜ時を同じくしてといったかと申しますと、この映画で主人公がパリの街で迷い込む1920年代のパリがちょうど前回のトピック「ガートルード・スタイン」の時代と重なり、ガートルード・スタインもこの映画に登場するからです。

簡単にこの映画のあらすじを書きますと、主人公はハリウッドで脚本家として働くギル(オーエン・ウィルソン)。彼は婚約者イネズ(レイチェル・マクアダムス)とともにイネズの両親のビジネスに付き合いパリにやってきます。

ギルにとっては俗物的なハリウッドとは違い、パリは洗練された芸術・文化の都。しかし、裕福な会社経営をする両親を持つイネズにとってはパリは観光とショッピングの街。ギルがたびたび口にする「雨が降るパリが一番美しい」という言葉をイネズは理解しません。また、パリで偶然出会うイネズの憧れの旧友ポールは確かにインテリで洗練されているように見えるが、どこか画一化されたものでしかないように見え、次第に自分だけが浮いている存在になっていくギル。


そんなある日、友人のポール達とともにダンスに行ってしまうイネズとは別にパリの夜を一人ホテルまで戻ろうと歩いているうちに道にギルは道に迷ってしまいます。


歩き疲れて座り込んだ階段で12時を知らせる教会の鐘が鳴ります。

すると不思議なことにどこからともなく現れたクラッシックな車がギルの目の前に停まります。そしてその車から降りてきたのはこれまたクラッシックな服装で陽気にシャンペンを楽しむグループ。彼らに誘われるままに車に乗り込み、ギルはとあるパーティーに行くことに。。。

石畳のパリの街角をギルを乗せたクラッシクな車は走り抜けていきます。

そしてやがてこの不思議な集団と一緒にパーティーが催されているカフェへ着くギルが見たものは彼が憧れる1920年代のパリの黄金期そのもの。

そこでギルは「グレート・ギャツビー」を書いたスコット・フィッチジェラルドやヘミング・ウェイなどの大作家達の若かりし頃に出会います。ギルの目前で当時の文化人達が盛んに議論を交わし交流を深めている場面を目の当たりにし、ギルは自分がタイムスリップして1920年代のパリに来ていることに気が付きます。

また、陽気なこの仲間たちに連れられて、またクラシカルな車に乗り込んだギルはある邸宅のサロンを訪れます。実はその邸宅こそ、当時のパリで最も先端をゆく文化人、芸術家を招き、サロンを開いていたガートルード・スタイン(キャシー・ベイツ)の家だったのです。そこでギルは自分が書いた本の原稿をガートルード・スタインに読んでもらうことにと。。。

また、ギルはスタインのサロンでピカソ、マティス、ダリなどのアーティストと出会い、タイムスリップした黄金の1920年代のパリを満喫します。


「ミッドナイト・イン・パリ」では、パリの街が熟練監督ウッディ・アレンの腕にかかると誰もが恋に落ちてしまいそうなほどロマンチックで美しい場所として映し出されます。また、タイムスリップして出会う人々と過ごす1920年代のパリは何と活気に満ち、華やかな芸術に満たされている場所です。画面もどこかノスタルジックなセピアがかった美しい場面が続きます。

この映画を見ていると自分もギルになって当時のパリに行ってみたくなりました。

先日訪ねたSFMoMAのスタイン展とこの映画「ミッドナイト・イン・パリ」があまりにも良いタイミングで開催されたことでパリの1920年代という素晴らしい芸術の黄金時代にまた思いを馳せらせることとなりました。因みに、映画の中で出てくるガートルード・スタインの家は大変良く作られていて、本当に当時のサロンや壁に掛けられている絵までよく再現されています。また、ガートルード・スタインを演じるのはオスカー女優のキャシー・ベイツです。彼女が見せる男勝りなスタインはイメージそのものでした。

日本での公開はいつになるかわかりませんが、公開されるときには是非、ご覧になっていただきたい映画です。

SFMoMAの「THE STEINS COLLECT Matisse, Picasso, and the Parisian Avant-Garde」に行ってきました!

Posted in Art exhibit,New! by Administrator on the June 1st, 2011

5月21日から始まった「THE STEINS COLLECT Matisse, Picasso, and the Parisian Avant-Garde」展をサンフランシスコMoMAで観てきました。

実を言いますとお恥ずかしい話よく知らなかったのですが、スタインコレクションというのはアメリカの裕福なスタイン家の兄妹達(レオ、ガートルード、マイケルとその妻サーラ)が20世紀の初めにパリに住み始め、当時はまだ大衆には理解されていなかった前衛芸術、マティスやピカソなどの作品を集めたところから来ています。今回の展覧会で分かったのですが、彼らの経済的、精神的な援助などから、パリで花開いた当時の芸術革命に火がついたといっても大げさではないように思えます。

今回SFMoMA行われている展覧会は、現在は様々な理由で散逸してしまったマティス、ピカソ、セザンヌ、レノアール、ロートレック等などのスタインコレクションを一堂に集めての展覧会です。今回集められた作品の中にはマティスの「Blue Nude(ブルー・ヌード)」(ボルチモア美術館所蔵)と「Salf-Portrait(自画像)」(コペンハーゲン、スタテン博物館所蔵)やピカソの有名な肖像画「Gertrude Stein(ガートルード・スタイン)」(メトロポリタン美術館所蔵)などがあります。

Henri Matisse, Blue Nude: Memory of Biskra, 1907; The Baltimore Museum of Art: The Cone Collection; © 2011 Succession H. Matisse/Artists Rights Society (ARS), New York

Portrait of Gertrude Stein, 1906, Metropolitan Museum of Art, New York City

このように簡単に言葉で表すとあまりインパクトがありませんが、スタイン家のそれぞれの人物達が収集した作品の数々を目の前にすると、果たしてこの表現が正しいのかどうかは分かりませんが、これほどまでの作品を裕福ではあるけれども、超がつくような大金持ちではなかったスタイン家の人々の審美眼と先見性に、どこか背筋がぞっとするような興奮を覚えずにはいられませんでした。

スタイン兄妹ではガートルード・スタインが作家(著者)として有名ですが、1903年から1914年までガートルードと兄のレオの二人は共にパリで暮らしました。二人はセザンヌやルノワールなどの現代美術の初期作品の収集を始め、まだ当時は無名であったピカソ(ガートルードはピカソと友人になり、彼女自身や甥のアラン・スタインの肖像画を描いてもらっている)、マティス、アンドレ・ドラン、ジョルジュ・ブラック、フアン・グリスなど若い画家達の初期の絵画を収集していきます。


[上写真は1913年頃のスタイン兄妹のフルリュース通り27番のサロンの様子。壁にかかる絵画が、ピカソ、マティス、セザンヌなどであることが分かります。]

第一次世界大戦が始まる前、二人のパリ、フルリュース通り27番にあるサロンには、これらの画家やその他の画家および前衛 芸術家が惹き付けられました。

スタイン兄妹の収集品は、彼らがフルリュース通り27番で生活している間に開催された2つの展示会にも反映され、収集品を貸与したり、主役となった画家の援助をすることで貢献しています。1つめは1905年に開かれたパリ・サロン・ドートンヌであり、マティスやドラン等の一群の作品が原色を多用した強烈な色彩と、激しいタッチで描かれていることからフォーヴィスム(Fauvisme、野獣派)と呼ばれるようになる一派をパリの画壇に紹介して衝撃を与えました。スタイン兄妹はこの展覧会のすぐ後でマティスの「帽子を被る婦人」とピカソの「花籠を持つ少女」を入手しています。

また2つめは、1913年にニューヨークで開催されたアーモリーショーであり、当時のフランス現代美術がアメリカに初めて紹介され、賛否両論の大きな話題となりました。この展覧会は以降の美術界に限らず、アメリカに衝撃的とも言うべき大きな影響を与えたことは間違いありません。

また、今回の展覧会で初めて知ったことはマティスとピカソがスタインを通して1905年に知り合ったということ。展示されている作品の中にはピカソがマティスに対する競争心から描いたとされる作品や、ピカソがのちのキュービズムへと向かっていく契機の一つとなったことが実はアフリカン・アートを収集していたマティスのアトリエでアフリカのアートに出会ったことによるものであったことです。

Pablo Picasso, Head of a Sleeping Woman (Study for Nude with Drapery), 1907; Collection The Museum of Modern Art, New York

また、マティスが創造活動を行う上で精神的支えとなっていたのがそのアートをほかの誰よりも早く認めていたサーラ・スタインであり、マイケルとサーラが1907年にサンフランシスコ大地震のために帰国中、初めてアメリカにマティスの作品を紹介したことや、二人の40作品に及ぶマティスの収集作品がベルリンで展覧会に貸し出されている時に第一次世界大戦が勃発し、その作品が手元に戻ってこないことを悲しむサーラを慰めるためにマティスがサーラとマイケルの肖像画を描いたことなど、如何にサーラが深くマティスに影響したかなどが判りました。

Henri Matisse, The Girl with Green Eyes, 1908; oil on canvas; Collection SFMOMA

この展覧会は一度に全ての物を見ようと思ってもかなり難しいぐらいの量(絵画彫刻作品200点余り、その他資料、写真、ビデオ映像など)と質があり、また必ず出かけて行かなくてはいけないと思わせるものでした。この展覧会は9月の6日までサンフランシスコMoMAにて開催されています。その後、パリとニューヨークでも展覧会が開催される予定です。皆さんももし機会があれば、是非ご覧いただきたい展覧会です。

アバンギャルドな一夜(ArtPadSFオープニング)

Posted in Art exhibit,New! by Administrator on the May 27th, 2011

さて、先週皆さんにお知らせしていましたサンフランシスコのアートウィークのレポートです。

ArtPadSFのオープニングレセプションに招待され、大変アバンギャルドな体験をして参りました。

ArtPadSFは今年が第一回目のアートショーでしたので、果たしてどんなものになるのか興味津々でした。同時に開催されている2つのアートショーとは違って、多くはアップ・カミング(これから期待される若いアーティスト)の作品を扱うギャラリーが多くを占める、ある意味大変元気のあるアートショーです。

前回のブログでお話していた通り、会場は1950年代のモーテルを改装してアーティストに人気のあるフィネックス・ホテルです。場所はサンフランシスコをご存知の方にはよくわかると思いますが、シビックセンター近くの「テンダーロイン」地区。どちらかというとあまり治安が良くないといわれる場所ですが、ホテルの中は別世界。受付を抜けるとそこは大きな中庭があり、中央にはブルーのプールがあります。アートショーに際し、照明などが工夫されとても芸術的な雰囲気でした。

中庭ではアートショーの開催中、パフォーマンスアートが行われていて面白かったです。中でも私が会場に着いてすぐ始まったSha Sha Higby(シャシャ・ヒグビー)さんのパフォーマンスは強烈に印象に残るものでした。

今回、初めて彼女のパフォーマンスを見たのですが、最初に目に入るのはそのコスチューム。彼女が製作するコスチュームは仮面、花や昆虫の触覚、繭、クモの糸、霞、樹木の枝、木の葉、等など、様々な具象・抽象の物体が、奇妙に、また美しく、パフォーマンスをする彼女の身体全体を覆います。それは美しくて、かつ怪奇に満ちていて、自分が夢の中にいるかのような錯覚を覚えるほどです。

そして、彼女の動き(パフォーマンス)がまた凄いのです。そろり、そろりと動きながら、そのコスチュームが微妙に揺れ動き、その手、頭、腕、脚が何とも表現のし難い、なだらかなダンスとなっているのです。どこか寂しような、懐かしいような、笛、鐘などの音楽に合わせながら、実に巧妙です。

彼女のパフォーマンスの時間はもうすぐ日が落ちそうな頃。これから一体何が始まっていくのか、見ているうちに時間を忘れシャシャ・ヒグビーの幻想世界へ迷い込んでしまったような感じでした。

後から調べて分かったのですが、彼女は大学卒業後、日本に1年ほど滞在。その後インドネシア、インドなどで漆芸、人形制作、伝統舞踊を学んだそうです。そのパフォーマンスには日本の能やインドネシアなどの伝統舞踊に影響を受けたとのこと。彼女のパフォーマンスの動きは確かに日本の能の舞の、うちに込められた感情の動き等を上手く取り入れていると思われます。また、決してそれ自体に表情があるとは言い難い仮面が、ある時は哀しそうに、ある時は情にあふれんばかりに見えるのも、やはり能の影響と判りました。

実を言いますと、彼女のパフォーマンスに引き込まれてしまい、動画で映すのを忘れてしまっていました。それで、当日の物ではないですが、彼女のパフォーマンスが動画になったものを以下に載せさせていただきます。内容も違えば、舞台と野外でのパフォーマンスの差もありますが、当日の雰囲気が少しでもわかっていただくのに役につ立つかと思います。

さて、このパフォーマンスを見た後はそれぞれのギャラリーが展示するアーティストの作品を見て回りました。


やはりアップカミングのアーティストを前面に出すショーでしたので、その作品は様々な分野に及んでいました。展示の仕方もホテルの部屋だったとは思えぬほど全ての物を部屋から排除したものから、ホテル部屋そのもののを使い、まるで自分の部屋にいるかのように作品を展示したものまでいろいろです。

しかし、来場者の人達を見てみると、新しいアーティストを発見しようということなのか、メジャーな美術館のキュレーターや著名なアートコレクターなどもよく見かけました。

KYFAが提携するMarx&Zavatteroギャラリーもマット・ギルの作品を部屋の外に飾り、中にはウィリアム・スワンセン、アンドリュー・ショルツ、リビー・ブラック、スティーブン・ジアネッティ、ジェームス・ゴーベル等などの作品が展示され、一時は中に人が入りきれないくらいに好評をきしていました。

このようにしてArtPadSFのオープニングレセプションは夜遅くまで様々なパフォーマンスも行われ、それぞれのギャラリーにも絶えることなく人々であふれ、本当に賑やかで面白いものでした。様々なアップ・カミングなアーティスト達の作品を一堂にしてみることができるArtPadSFはこれからも期待できるアートショーになるようです。

サンフランシスコのアート・ウィークがいよいよ始まります!

Posted in Art exhibit,New! by Administrator on the May 18th, 2011

今月、5月19日から来月6月5日まで、サンフランシスコで3つの大きなアートショーが始まります。


昨年のSan Francisco Fine Art Fair (SFFAF)に加え、今年は新しく2つのイベントartMRKTとArtPadSFが同時期に開催されるのです。3つのアートショーではサンフランシスコの86ギャラリーをはじめ世界中から164のアートギャラリーがこのイベントに参加します。

artMRKT(http://www.art-mrkt.com/sf/show-information)はサウスオブマーケット(SOMA)のConcourse Exhibition Hallにて65ギャラリーがモダン+現代アート作品を紹介・販売します。アメリカではやはり何と言ってもニューヨークやマイアミのアートショーが有名ですが、やはりシリコンバレーを控えたサンフランシスコは将来のコレクターになっていくであろう若く、資産を持った人々が多く存在し、その人達に身近にモダン+現代アートを楽しんでもらおうというのが大きな狙いとしてあると思われます。

どうしてもニューヨークやマイアミとなると超がつくギャラリーが出店しますので、それなりに敷居が高いアートショーになってしまいがちですが、やはりこれからのコレクターをメインターゲットにと考えているサンフランシスコのアートショーはイベントもユニークなものが目立ちます。

ArtPadSF(http://artpadsf.com/)は、1956年に建てられたミッドセンチュリーなモーテルをブティックホテルとして甦らせ、現在40ものアーティスティックなブティック・ホテルグループを持つJoie de Vivreグループが手掛けるもの。3つのアートイベントの中では唯一サンフランシスコを本拠にしたイベントグループです。今回、彼らがそのアート展示会場とするのが、その1956年に建てられ、国内外のアーティスト達(有名な人たちをいくつか挙げるとすると、カート・コバーンとコートニー・ラブ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、パール・ジャム、カレン・フィンレイ、デビット・ホックニー、ジェフ・クーンズ、アラン・セラノ等など)が滞在し、サンフランシスコの中でもヒップなホテルとして知られる「フィネックス・ホテル」。このホテルの客室を個々のギャラリーにより一部屋一部屋を展示会場にしてしまいました。このホテルの部屋は一面がガラスになっているので、外からはウンドウ・ショッピングをするかのように、もっと詳しく見たければ部屋の中へ入って作品を見るという趣向になっています。

こちらにはKYFAが協賛するMarx&Zavatteroギャラリーも出店をしています。オープニングレセプションに招待されているので、19日の夜に伺ってきます。そしてその模様をぜひ皆さんにお伝えしたいと思います。

SF Fine Art Fair (SFFAF)(http://www.sffineartfair.com/show-information)は今年で2年目。サンフランシスコのフォートメイソンという旧米国海軍施設だった建物を大きなイベント会場にして約60のギャラリーがモダン・コンテンポラリーアートを中心に展示販売します。ここからはゴールデンゲートブリッジも眺めることができ、とてもサンフランシスコらしい所です。

今週から始まるサンフランシスコのアートウィーク。次回のブログはいろんな展示のご報告をしたいと思います!お楽しみに!

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