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「対話の画像(Images in Dialogue)」パウル・クレーとアンドリュー・ショルツ

Posted in Art exhibit,New! by Administrator on the August 20th, 2011

ベイエリア在住でKYFAが提携するMarx&Zavatteroギャラリーがレプレゼントするアーティスト、アンドリュー・ショルツ(Andrew Shoultz)の作品が現在SFMOMAにて「対話の画像(Images in Dialogue)」と題されて2012年1月8日まで特別展示されています。

Andrew Scholtz: A Litany of Defense and, A Liturgy of Power (Came) from the Palm of His Hand

これはSFMOMAのキュレーター、ジョン・ザロベルがパウル・クレーの作品をベースとしてショルツに作品制作をしてもらい、作品を見る人々にその2つの作品から生み出される「対話の画像(Images in Dialogue)」を感じてもらうという企画提案したことににはじまります。

Paul Klee: Grosses Tier (Large Beast), 1928

Andrew Schoultz: Three Caged Beasts, 2011

ショルツは勿論、大作家であるパウル・クレーは知っていましたが、自己の作品がクレーに影響されているとは思わなかったと述べています。しかし、ショルツがクレー作品を研究するにつれ、例えば、繰り返しモチーフとして用いられている「馬」、「街」、「並行する線」など、自分の作品とクレーの作品の間に共通するものが多くあることに気が付き驚きました。

Andrew Shcoultz: Three Drowning Horses, 2011

Paul Klee: Was für ein Pferd! (What a Horse!), 1929

Paul Klee: Luftschlösschen (Little Castle in the Air), 1915

Andrew Schoultz: Cloud City, 2011

こうしてショルツはSFMOMAからの本企画に挑戦することとし、同美術館のクレー・コレクションの中から数点を選んび、作品製作に立ち向かうこととなりました。今回のショルツの作品制作は通常ショルツが製作する大型作品や手の込んだ展示とは違い、比較の元となる小さなクリー作品に見合う大きさに抑えて制作にあたりました。

その結果本展覧会を見るものに、大作家と現代画家が作品を創り上げていく過程の比較と、如何に時代や世代を超えて共通するものを二人が持っているかなどが分かるという大変興味深いものとなりました。

実をいうと、私もMarx&Zavatteroギャラリーのオーナーに今回の話を聞いたときは、ショルツとクリーに果たして共通点があるのだろうかと思ったのを思い出します。前述のようにショルツの作品は大型作品が多く、またその手の込み様は、あまりにも真剣に見てしまうと、見る者の方が神経を衰弱してしまうほどであり、私が持っていたクリー作品のイメージとはかなり違うものでした。

しかし、今回のこの企画展で、この二人のアーティストがその時代背景を色濃く、また風刺を交えて作品に描き出していることや、クレーの作品が視覚的に魅力的であるだけではなく、観念的な象徴性が作品を見ると自動的に鑑賞者に意識され、かなり細かい統一性を持ちながらリズミカルに表現されていることが、ショルツの描き出す細微にわたった象徴性と繋がることなどを感じました。

1世紀を隔て二人のアーティスト作品がその絵を通して対話をしているような、まさに「対話の画像(Images in Dialogue)」というののふさわしい展覧会になっていると思いました。

もし本企画展が開催中にサンフランシスコに来られる機会があるようでしたら、是非ご覧いただきたいと思います。また、ショルツの作品に関してのお問い合わせがありましたら、お気軽にご連絡ください。

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