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アートとワインに魅せられた犯人 (A Theif who was taken in by art and wine)

Posted in New! by Administrator on the July 20th, 2011

今月5日にサンフランシスコのウェインステインギャラリーから、パブロ・ピカソの1965年ペンシルドローイング作品”Tête de Femme (女性の頭部)が白昼堂々と盗難にあいました。

販売価格20万ドル(約1千6百万円)は27x21cmと作品としては小さい方であった為か、犯人はギャラリーの店員にも見られず、作品を小脇に抱え店外に出た後、タクシーに乗って持ち去りました。

しかし、犯人の姿はギャラリーの隣にある店の防犯カメラに収められていて、きちんとした身なりをした30歳前後の白人男性であったことも分かりました。

しかし翌日、6日夜にカリフォルニア州ナパにあるアパートでマーク・ルゴ、30歳を被疑者として身柄を拘束し、すでに額から外されFedEx便で送付できるように準備された作品を押収しました。

マーク・ルゴ被疑者はニュージャージー州居住でサンフランシスコに独立記念日の休暇を利用して旅行に来ていたとの事。また彼はニューヨークの高級レストランでソムリエとして働いていました。

ワインを手に持った人物がマーク・ルゴ被疑者

犯行の翌日に被疑者が捕まり、無事作品が回収され、事件が早急に解決出来たのは素晴らしいことですね。この成果は近所にあった防犯カメラにおさめられた犯人の姿とそれを乗せ走り去るタクシーが特定出来たこと、またそのタクシーが被疑者をサンフランシスコの高級ホテル、パロマ―ホテルに乗車させたことが判明したことによると言えるでしょう。

さて、この事件にはまだ続きがありました。

今回のサンフランシスコピカソ作品の盗難事件にあたり、マーク・ロゴ被疑者のニュージャージー州のアパートを捜索した警察はなんと1935年製作のパブロ・ピカソのエッチング作品”Sculpteur et Deux Têtes (彫像と2つの頭部)”やフェルナ・レジェのスケッチ等を含む11点の盗難にあったアート作品を発見、押収したのです。

NYで盗難にあったピカソ作、「彫像と二つの頭部」

盗難にあったフェルナ・レジェ作品

これらの作品はマンハッタンのホテルやギャラリーから今年6月に盗まれたものであることも判明しました。

またマーク・ロゴ被疑者は今年4月に3本で時価6千ドルの2006年Chateau Petrus Pomerol (シャトー・ペトリュス・ポムロール)を盗んだことで起訴され、6月9日に裁判所に出廷することになっていましたが、これを欠席していました。

マーク・ロゴ被疑者は6月に入ってから約一カ月の間にサンフランシスコのギャラリーで行ったのと同じような大胆な方法でこれらのアート作品を盗取しています。警察が被疑者のアパートの捜索をした時にはこれらのアート作品が部屋に堂々と飾られていたそうです。

この話を聞いて、まるでドラマのストーリーのような気がするのは私だけではないでしょう。勿論ドラマであれば犯人は捕まらないのかもしれませんが。犯人とされる人物が高級レストランのソムリエで、旅行に来ているサンフランシスコで滞在していたのも高級ホテル。

警察によるとマーク・ロゴ被疑者は盗品を転売目的で盗んだのではなく自分で所有する目的だったとの見方をしており、また職業がソムリエであることから、ワインに対する造詣と羨望があったものとみています。しかしいくらアートとワインが好きでも、盗みまで働いてしまうのは尋常ではありません。今回マール・ロゴ被疑者が捕まったことで、これからまた事件の真相が解明されていくと思います。

アートとワインに魅せられてしまったマーク・ロゴ被疑者は素晴らしいアートに囲まれた部屋や高級ホテルではなく、しばらくはまったく環境の違う檻の中で過ごすことになりそうです。

本件について進展がありましたらまたお知らせしたいと思います。

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