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映画・Midnight In Paris/「ミッドナイト・イン・パリ」とガートルード・スタイン

Posted in New! by Administrator on the June 10th, 2011

さて、先日はSFMoMAで行われている「THE STEINS COLLECT Matisse, Picasso, and the Parisian Avant-Garde」展について書きましたが、今回はちょうど時を同じくして上映されているウッディ・アレンの新作映画Midnight In Paris「ミッドナイト・イン・パリ」についてです。

なぜ時を同じくしてといったかと申しますと、この映画で主人公がパリの街で迷い込む1920年代のパリがちょうど前回のトピック「ガートルード・スタイン」の時代と重なり、ガートルード・スタインもこの映画に登場するからです。

簡単にこの映画のあらすじを書きますと、主人公はハリウッドで脚本家として働くギル(オーエン・ウィルソン)。彼は婚約者イネズ(レイチェル・マクアダムス)とともにイネズの両親のビジネスに付き合いパリにやってきます。

ギルにとっては俗物的なハリウッドとは違い、パリは洗練された芸術・文化の都。しかし、裕福な会社経営をする両親を持つイネズにとってはパリは観光とショッピングの街。ギルがたびたび口にする「雨が降るパリが一番美しい」という言葉をイネズは理解しません。また、パリで偶然出会うイネズの憧れの旧友ポールは確かにインテリで洗練されているように見えるが、どこか画一化されたものでしかないように見え、次第に自分だけが浮いている存在になっていくギル。


そんなある日、友人のポール達とともにダンスに行ってしまうイネズとは別にパリの夜を一人ホテルまで戻ろうと歩いているうちに道にギルは道に迷ってしまいます。


歩き疲れて座り込んだ階段で12時を知らせる教会の鐘が鳴ります。

すると不思議なことにどこからともなく現れたクラッシックな車がギルの目の前に停まります。そしてその車から降りてきたのはこれまたクラッシックな服装で陽気にシャンペンを楽しむグループ。彼らに誘われるままに車に乗り込み、ギルはとあるパーティーに行くことに。。。

石畳のパリの街角をギルを乗せたクラッシクな車は走り抜けていきます。

そしてやがてこの不思議な集団と一緒にパーティーが催されているカフェへ着くギルが見たものは彼が憧れる1920年代のパリの黄金期そのもの。

そこでギルは「グレート・ギャツビー」を書いたスコット・フィッチジェラルドやヘミング・ウェイなどの大作家達の若かりし頃に出会います。ギルの目前で当時の文化人達が盛んに議論を交わし交流を深めている場面を目の当たりにし、ギルは自分がタイムスリップして1920年代のパリに来ていることに気が付きます。

また、陽気なこの仲間たちに連れられて、またクラシカルな車に乗り込んだギルはある邸宅のサロンを訪れます。実はその邸宅こそ、当時のパリで最も先端をゆく文化人、芸術家を招き、サロンを開いていたガートルード・スタイン(キャシー・ベイツ)の家だったのです。そこでギルは自分が書いた本の原稿をガートルード・スタインに読んでもらうことにと。。。

また、ギルはスタインのサロンでピカソ、マティス、ダリなどのアーティストと出会い、タイムスリップした黄金の1920年代のパリを満喫します。


「ミッドナイト・イン・パリ」では、パリの街が熟練監督ウッディ・アレンの腕にかかると誰もが恋に落ちてしまいそうなほどロマンチックで美しい場所として映し出されます。また、タイムスリップして出会う人々と過ごす1920年代のパリは何と活気に満ち、華やかな芸術に満たされている場所です。画面もどこかノスタルジックなセピアがかった美しい場面が続きます。

この映画を見ていると自分もギルになって当時のパリに行ってみたくなりました。

先日訪ねたSFMoMAのスタイン展とこの映画「ミッドナイト・イン・パリ」があまりにも良いタイミングで開催されたことでパリの1920年代という素晴らしい芸術の黄金時代にまた思いを馳せらせることとなりました。因みに、映画の中で出てくるガートルード・スタインの家は大変良く作られていて、本当に当時のサロンや壁に掛けられている絵までよく再現されています。また、ガートルード・スタインを演じるのはオスカー女優のキャシー・ベイツです。彼女が見せる男勝りなスタインはイメージそのものでした。

日本での公開はいつになるかわかりませんが、公開されるときには是非、ご覧になっていただきたい映画です。

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