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Matt Gil(マット・ギル)「バラエティ・パック」展のお知らせ

Posted in Art exhibit,New! by Administrator on the May 3rd, 2011

KYFAが提携する、サンフランシスコ、Marx&Zavatteroギャラリーにて4月30日より始まったMatt Gil(マット・ギル)「バラエティ・パック」展のオープニングレセプションに行ってまいりましたので、皆さんにご紹介いたします。

マット・ギルはカリフォルニア州サンノゼ市出身。アルミニュウムをベースに刺激的な色彩を施した大きな彫刻作品で有名なアーティストです。


「マット・ギル: 2002年 Yahooコレクション、カリフォルニア州 Sunnyvale市」

今回のMarx&Zavatteroに於ける個展では、従来の流れを汲む作品から、セラミック作品、アルミニュウムや鉄などの金属をアスファルトに浸し独特の光沢を持たせた新しい、実験的な作品まで色々なミディアを使用した作品群で、「バラエティ・パック」展と題されています。また、マット・ギルの製作・思考過程を鑑賞者にも味わって頂けるように、初めて作品製作過程におけるメモ、ドローイング、スケッチなどを収めた作品手帳が同時に展示され、マット・ギル・ワールドを様々に楽しんで頂ける企画となっております。

マット・ギルは大きいモニュメント的な作品がSFMOMAやバンクオブアメリカなどのコレクションになっていて、どうしてもそのような作品が中心かと思われますが、今回の個展では小品の展示が多く、小さなものでは20センチほどです。ところが、このように小さな作品でもやはりアーティストの力量が見て取れます。また、作品ははコンスタンティン・ブランクーシ、ジャン・アルプ、イサム・ノグチなどに代表される近代彫刻家に対する興味と、広い意味で今回のアスファルト作品作成のインスピレーションとなったマシュー・バーニーやロキシー・ペインなどの現代アーティスト作品への関心を組み合わせたものとなっています。マット・ギルが基本にする自然から発生する造形イメージをその優れた鋳造技術で独特の光沢や触感を作品に与えています。


「マット・ギル氏、Marx&Zavatteroにて」

今回の個展にあたり、マット・ギルは以下のようにその製作過程を説明しています。

私は朝食でテーブルについている時や夜、またある時にはテレビを見ながらや、たまたま時間を持てあました時など、とにかくいつもアイデアをスケッチしている。もし描いたものが気に入らなくてもそれを気にすることは無い。いつも簡単に物事が行くわけではなので、ただ単にずっと描き続けている。そうしているうちに何かが起こるのである。

スケッチされた物の中から「私を作ってくれ」と言われることで製作を始める。或る作品に対する気分や感情、または新しい作品の製作過程を視覚化すればするほど実際に製作することは容易になる。それは作品達がまるで自分達自身を創り出しているように感じることさえある。

その過程は、最初にある所へ行き、そして別の所へ行くというような旅行を計画することに似ている。少し迷ったらスケッチにされたもの(地図)に眼を向け、軌道修正を行う。スケッチブックの書き込みには新しい作品を完成する為に取った私の詳細なる過程が見えるはずだ。ある時にはそれが努力に値すると信じる勇気が必要だ。私にとって彫刻作品を制作することは製作を重ねる毎に楽しいものになってきている。そしてそれが更なる波及効果を生み出している。私が育った時代や場所が私の作品に反映されている。全ての完成した作品は私から天命を持って呼び出され、まるで生きていてこの世に生み出されたいと言うかのようにスケッチブックのページから飛び出してきたのだ。私が崇拝する全ての彫刻家達が私を呼び出し、あれを製作しろ、いやそれを製作しろ、またはこの作品は実際に作るまでにもっと作業やアイデアが必要だというのである。またある時はもう一度これを描き直し、本当にその作品に魂があるのかどうかを確かめよと。製作し魂を与えることで作品達は私の存在よりもはるかに長く行き続けることが出来るのだと。

「バラエティ・パック」とはまさに読んで字の如しなのである。これは私が昨年一年間に製作したものを集めたものなのである。スタイル、サイズ、色、材料、テーマなど、私にとってはアイデアが足りないということは無い。

実際に作品を目の前にすると、その質感の面白さに驚きます。作品のフォームは抽象でありながら、人の動きや物事の有様などを微妙に捉えていて見ていて飽きません。あるものは金属のように見えながらも、実はセラミックであったり、あるものは色つきのコンクリートと思っていたのがアルミニュウムだったりと、その意外さも面白さの一つです。また、今回はじめての試みとして製作されたアスファルトを使った作品は、材料のアスファルトがまるで漆のように深い黒色で、見た感じちょっとまだ濡れているような、不思議なものでした。熱いアスファルトに浸された金属はまだアスファルトが固まっていない為に独特の流れるような形状を生み出しています。これは思わず作品に手を触れたくなるようなとても興味深いものでした。

また、実際にお会いしたギル氏は、熱心に作品思考の過程や製作時の苦労話などを熱心に面白く話されていました。

このMatt Gil “Variety Pack”展はサンフランシスコのMarx&Zavatteroギャラリー (http://www.marxzav.com/index.php)にて6月4日まで開催されています。ご興味のある方は是非、KYFAまでご連絡下さい。

マット・ギル略歴
マット・ギルはカリフォルニア州サンノゼ市出身。サンノゼ州立大学から学士号を受けた後、1970年代からカリフォルニアにて個展、グループ展にて作品を発表。作品はサンノゼ美術館、サンフランシスコにあるバンカメビル旧本社、オークランド博物館シティーセンターなどのプライベートとパブリック両方のスペースで展示紹介されています。ギルの作品はサンフランシスコ近代美術館を含め、サンノゼ美術館、オラクル・コーポレーション(カリフォルニア州ベルモント市)、Allergen, Inc. (カリフォルニア州アーバイン市)、ヤフー(カリフォルニア州サニーベール市)、サックス・フィフス・アベニュー(ニューヨーク)、シドニー国際空港(オーストラリア)などの公私コレクションとして作品が蒐集されています。また、マット・ギルについてはサンフランシスコ・ クロニクル紙、ZYZZYVA、SF Weekly紙、ベイエリア・ガーディアン紙、アーキテクチャル・ダイジェスト紙、Artweek紙、artslant.com、Flavorpill.com 、カリフォルニア・アート・レビュー紙で取上げられ紹介されています。

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