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ウィリアム・スワンソン新シリーズ公開!

Posted in Art exhibit,New! by Administrator on the March 4th, 2011

KYFAが以前から日本の皆さんにご紹介しておりますカリフォルニア州の画家、ウィリアム・スワンソンの新シリーズ「Groundwork(グランドワーク)」がサンフランシスコのMarx&Zavatteroギャラリーにて紹介されております。

Marx&Zavatteroギャラリー
http://www.marxzav.com/index.php

今回の「Groundwork (グランドワーク)」と題されたシリーズは従来のスワンソン独特な抽象画と風景画、自然と人工の混ざり合う世界の表現というものを踏襲しながらも、新たに自然な絵の具の流れ、色彩が交じり合うことで幾層にも重なる地層を表すかのような幻想空間を表現として取り入れています。

平面性と遠近法を同時進行させることによって得られるアンバランスさでその作品を観る人々を不思議な「スワンソンワールド」へと誘う作品群。描かれているのは、過去なのか、それとも未来なのか。あちらこちらで見かける人工物や産業の廃墟はあくまでも静かに横たわり、自然界の大きな力にその行く末を委ねているかのようです。

今回のブログでは私がこれらの作品を鑑賞し感じたことをそのまま言葉にしてみました。アーティストが創り出した世界は、勿論そのアーティストが意図するもの(こと)がありますが、私は観るそれぞれの人がそれぞれの感覚で解釈してよいと思っています。果たして皆さんはスワンソンの新しい作品を見てどのように感じられますか?

作品1:

20.5″ x 20.5″ acrylic on panel, 2011
(copyright Marx & Zavattero)
「Lower Spectrum」と題されたこの作品は、地球の奥深くで、熱く燃え流れるマグマを思わせる切りたてのメロン色が観るものをどきりとさせる。濃いグレーの危うい壊れゆく地表が空中に浮かび、ある部分は深い奈落に落ちていき、あるものは光りを求める生き物のように高く伸びていく。端に見える異次元の窓から見えるものは平面と直線からなる淡い情景。一体これは何処に通じていくのであろう。
<注>タイトルの「スペクトル(spectrum)」とは、複雑な情報や信号をその成分に分解し、成分ごとの大小に従って配列したもののことである。2次元以上で図示されることが多く、その図自体のことをスペクトルと呼ぶこともある。ここではLower(下方の)という言葉を添えてあるから、やはり地下の情景か。

作品2:

47″x74″ acrylic on panel, 2011
(copyright Marx & Zavattero)
「Open Land Projection」とは広がる原野が光に当たって射影されている様子であろう。この作品は灰色の空と遠くに見える雪を頂く山々を遠景に、削られた山肌には廃墟化した人工物も見える。作品左手下方からは地表が盛り上がり、流れる水と泥が怒涛のごとく流れ出す。しかしここには音は無い。手すりがついた橋は空間を旅し、いつしか途切れる黒い平面となる。眺めていると自分の足元がいつの間にかぽっかりと穴の開いたところを浮遊しているような不思議な感覚を覚える。

作品3:

22″x28″ acrylic on panel, 2011
(copyright Marx & Zavattero)
作品タイトル「Chemical Bloom」。青白い空間には山肌を縫うかのように降り積もった雪が光りと影のコントラストを写し出す。雪が溶け出した麓では生命の息吹を感じさせる緑が少しづつその生息範囲を広げていく。これは林だろうか、影となった木々は滅び去った自然の幻影。広がる窓はこれが夢の世界であることを暗示し、その記憶は徐々に忘れ去られ、黒い小さな画面となって散らばっていゆく。はじめに眺めた青白い空も実は夢であり、平面となって空間を漂うのである。

作品4:

28″x30″ acrylic on panel, 2010
(copyright Marx & Zavattero)
作品タイトル「Resource Profile」。山を削り白い大地をむき出しにした採掘場と思わしき場所。しかしそこにはぽっかりと大きな赤い穴が開いていて、まるで近くのものを何でも飲み込んでしまうかのように拡大しつつあるようだ。遠くに見える木々は暗くひっそりとしている。見ていると足元が徐々に裂け大きな黒い空間へとなっていくかのようである。
<注>Resourceは資源で、Profileはその横断面の意味。

作品5:

33″x30″ acrylic on panel, 2011
(copyright Marx & Zavattero)
作品タイトル「Understory Expanse」。この絵に表現されるのは人工物がその終わりを迎え、それまで作品の中央を支配していた白い空白空間に、徐々に自然の力が植物(緑)を繁栄させ、その空白空間が植物によって徐々に埋め尽くされようとしている幻想世界である。天へと伸びる黒い影は海を漂うゴミの島を暗示するかのよう。しかしそこにも着実に緑は増殖を始めている。遥か彼方は人類が築いた夢のあとなのか。
注:Understoryとは低木層という意味。植生調査では森林内のおおよそ背丈2m以下50cm以上の植物群を低木層と言い、この場合にはより背の高くなる植物の苗や、背の高い草をも含む。Expanseは広大な空間、または拡大という意味。

作品6:

22″x28″ acrylic on panel, 2011
(copyright Marx & Zavattero)
作品タイトル「Signal Horizon」。眼の前を昼間でも暗く、空を埋め尽くさんばかりの濃い緑色の森林。空は急に斜めから切り取られ、幾層にもなる明るい層が徐々に現れる。これは一体何を意味するのか?地平線から上るのは明るい太陽かもしれない。いや、もしかすると太陽は地平線のかなたに沈んでしまい、僅かな残りの光りが空を駆けているのではないか。空はあくまでも静かに明るい。始まりと捉えるか、終焉と捉えるかは観るものの捉え方次第だ。

作品7:

14″x16″ acrylic on panel, 2011
(copyright Marx & Zavattero)
題名「Microflora」。普段我々が目にしている世界とは違ったミクロの世界。そこでは微生物、バクテリアが自分達の世界を持っている。無尽に伸びるかのような菌糸はまるでそれ自身が意思のある生物のように動いている。微生物は誰が見ているわけでもないはずなのにあるものは緑色、あるものは桃色とそれぞれに己の色を持っている。コロニーを作った菌はまた別の菌とあいまって独自の成長を遂げている。これほどに美しく、毒々しい世界が存在することを私達は殆ど気がつかないまま日々の生活を送っている。
<注>「Microflora」の意味は「微生物相」で、特定の地域に生息・生育する微生物の種類組成。

作品8:

14″x16″ acrylic on panel, 2011
(copyright Marx & Zavattero)
題名「Luminary Construct」。今まさに光りを放つものが生まれようとしている。暗い緑やグレーの中から迸るのはそのエネルギー。我々を誘うような暗い臙脂色の敷石は明るい紅梅色と、流れ出すこげ茶色の間を何処までも続き果てしない。下からは我々を暖かく包み込む光りが輝き始めた。生まれて間もないこの光りは我々に進み道を示し、もう既に希望の光りとなっている。
<注>Luminaryは発光体(主に太陽や月)の意味。Constructは構造物、構造体。

如何ですか?今回のスワンソンの作品。実際の作品を見るとコンピューターの画面上で見るのとは違い、アーティストのエネルギーを感じます。皆さんにももし機会があれば是非、ご自分の眼で作品を見ていただきたいです。いつの間にかその絵の中に吸い込まれて過ぎ行く時間や、自分が何処にいるのかもふと忘れていることに気がつくような展示となっています。

ウィリアム・スワンソンの「Groundwork」展はサンフランシスコのMarx&Zavatteroギャラリーにて3月19日まで行われています。特別プライベート・ビューイングもアレンジさせていただいております。詳細につきましてはお気軽にKYFAまでご連絡下さい。

ご連絡:http://invest-art.kenjiyokoo.com/contactus.php

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ウィリアム・スワンソン
1970年、イリノイ州、シカゴ市出身。
主要コレクション購入先:
ウェリントン・マネージメント、ボストン、マサチューセッツ州 Wellington Management, Boston, MA
ザ・ウエスト・コレクション、オークス、ペンシルバニア州 The West Collection, Oaks, PA
オードビ・システム、サンノゼ、カリフォルニア州 Adobe Systems Inc., San José, CA
ジェーピーモルガン・チェース・アートコレクション、サンフランシスコ、カリフォルニア州 J.P. Morgan Chase & Co. Art Collection, San Francisco, CA
ユービーエス ファイナンシャル、アトランタ、ジョージア州 UBS Financial Services Inc., Atlanta, GA
ザ・プログレッシブ・アートコレクション、メイフィールド ビレッジ、オハイオ州 The Progressive Art Collection, Mayfield Village, OH
キャピタルグループ、ロサンジェルス、カリフォルニア州 Capital Group, Los Angeles, CA
ロバート・メイラー・アンダーソン、サンフランシスコ、カリフォルニア州 Robert Mailer Anderson, San Francisco, CA

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