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キング・オブ・ポップ

Posted in New! by Administrator on the January 11th, 2011

今回のブログはポップカルチャーとアートについてです。

ポップアートというと皆さんが真っ先に思い浮かべられるのはアンディー・ウォーフォールのキャンベルスープ缶のリトグラフではないでしょうか。

ポップ・アートは現代美術運動のカテゴリーで、大量生産や大量消費社会をテーマとして表現しています。ポップ・アート自体は1950年代のイギリスに始まるものですが、やはり1960年代にアメリカのロイ・リヒテンシュタインやアンディー・ウォーフォールがスターアーティストとして出てきたことで大盛隆を極めました。

ロィ・リヒテンシュタイン 「Girl With Hair Ribbon」1965年

その後ポップ・アートは時代とともに分化していきますが、その中の一つに「シュミレーショニズム」とよばれるものがあります。これは近代芸術の一つであることで尊いとされる「唯一性」に反対し、大衆芸術のイメージを作品に取り込む(ある意味「盗用」する)ことで独自のアート作品を創り出すことが特徴です。これは、1980年代に世界的に浸透していった、オリジナルとコピーの区別が消失し、コピーが大量に消費される現代社会の様相があるといいます。 そして、そこには簡単にコピーができる虚しさや寂しさを表現されています。

これに関係してくるのが、私がサンフランシスコ近代美術館にあり、大変印象に残っているジェフ・クーンズの1988年の作品、「Michael Jackson and Bubbles(マイケル・ジャクソンとバブルス)」です。

ジェフ・クーンズ 「Michael Jackson and Bubbles」1988年

一度見たら忘れられない作品です。世界最大級といわれる大きさの陶器で出来た金彩でぴかぴかの世界のポップスターマイケルジャクソンとそのペット、バブルス君。作品が作られた1988年には「スリラー」、「バッド」で大成功を収め、まさにエンターテイメント界で頂点に登りつめたマイケル・ジャクソンを富の象徴として表現したかのような作品です。因みにこの作品は1991年にニューヨーク、サザビーズでオークションにかけられ約560万ドルで落札されました。

この作品ではマイケル・ジャクソンもペットのチンパンジーバブルス君も肌の色は白。後に自己も白人のように色が白くなり、自分の世界へと浸っていった(どこか孤独な)生活をするマイケル・ジャクソンとこの作品がなぜか重なり、あくまでこれは私の感想ですが、虚しいような、寂しいような、何とも言えないような気持ちになりました。

このようにちょっと見ただけではコミカルに見える作品も、その作品の系統や背景などをちょっと考えるともっと深く見えてくるものがあります。私はけっしてアートがそのような「学習」が必要とは思いませんが、ある意味、鑑賞をする時の助けになるように思います。

さて、今週土曜日(1月15日)に開催しますデービス&デービスのスモールプリント展もこのように大衆の持ち物であった古い、使い古された人形やおもちゃを、その独特の表現で写真に仕上げた作品をご覧いただけます。是非鑑賞をしていただく際に、少しだけデービス&デービスが何を伝えようとしているのかを考えて見られるともっと面白く、興味深くご覧いただけると思います。今回のスモール作品展は日本のお客様限定で製作されたスモールサイズ写真の作品です。是非、この機会をお見逃し無く!

デービス&デービス 「Competitive Girl」 1997年

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