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ハーブ&ドロシー

Posted in Uncategorized by Administrator on the November 23rd, 2010

現在大変素晴らしいドキュメンタリー映画が上映されていますのでお知らせしたいと思います。

邦題「ハーブ&ドロシー」(Herb & Dorothy)はニューヨークに住む老夫婦。ハーブは郵便局員、またドロシーは図書館書司というけしてお金持ちとはいえない、この一見ごく普通の老夫婦が長年にわたり収集したアートコレクションが全米のアート世界を驚愕させることに!

慎ましい生活の中で約30年の歳月をかけ自分の気に入った作品をこつこつと買い集めていった二人。二人が買うアート作品の基準は2つ。1)自分達の給料の範囲で買える額であること、2)彼らの1LDKのアパートに収まるサイズの作品であること。

彼らのコレクションはその小さなアパートに4千点を超え、所狭しと並んでいる。またその作品は二人のコレクションが始まった1960年代からのモダンアートで、ミニマルアートやコンセプチャルアートという当時ではまだ評価の定まらないものであった。ほぼ毎日のように個展やアーティストのスタジオに足を運び実際に見て集めた。

また、買った作品は一度として売ったことはなく、彼らにとってはアートバブルも全く関係のないものだった。そのコレクションはいつしかアメリカのアート界でも有名になり、多くの美術館から譲渡の申し込みもあったが、最終的にはアメリカのナショナルギャラリーに寄贈。数点を売りさえすればすぐに億万長者になれるのに。。。寄贈を受けたナショナルギャラリーは二人が急に資金が必要になったときの為にと謝礼を払ったが、二人はそのお金でまたアート作品を買う…

この映画はドキュメンタリーで二人が住むアパートを映し出します。そこにはペットの猫や亀、金魚がいて壁はおろか、パスルームにまで作品が飾られています。美術館で見るのとは違い、二人のアパートにあるモダンアートの数々はとても人間的で暖かです。

私はこの二人のことをサンフランシスコにいるときにテレビのドキュメンタリーで知りました。映画になるよりもずっと前の話ですし、私自身もアートの仕事ではなく、普通の銀行員でした。でもその時に感じたセンセーションは今でも忘れられません。アートコレクションというと通常、大変裕福な人々がお金をかけコレクションしたものが多いのですが、彼らはまだそのアーティストが有名になる前からその才能に、その作品の素晴らしさに目をむけ、慎ましい生活の中からの資金で集めていったのです。その時に私が感じたことはアートコレクションというのは、自分の目を養いながら、自分の信じることをこつこつと続けていくことで、仮に大変裕福ではなくても出来るんだということでした。

そしてこの映画がまたその時に感じた私の感動を思い出させてくれました。皆さんももしチャンスがあれば是非この映画を見ていただきたいと思います。現在、東京渋谷のシアター・イメージフォーラムで公開中ですが、この後、順次日本各地で上映予定です。

映画の公式サイトは以下です。

http://www.herbanddorothy.com/jp/index.html

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