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サンフランシスコ近代美術館(SF MoMA)

Posted in New! by Administrator on the October 30th, 2010

SF MoMAはアメリカ西海岸で初めて出来た近代美術に特化した美術館。その設立は1935年とかなり古くからモダンアートに注目してきたところです。その収集品はマチスやピカソから現代の映像芸術まで幅広いものがあります。

先日ご紹介したディエゴ・リベラ、フリーダ・カロに続き、パウル・クレーの作品のご紹介です。

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、SFMOMAにはパウル・クレーの作品が31点収蔵されています(2010年現在)。クレーの作品は詩的、音楽的なものを感じる方が多いのではないでしょうか。繊細な色使いと無心の子供にしか描けないような表現は、線、色を使った視覚のハーモニーです。SFMOMA収蔵作品の内、17作品についての動画を作成しました。是非ご覧下さい。

2010 カリフォルニア・ビアンナーレとパトリック・ウィルソン

Posted in Art exhibit,New! by Administrator on the October 29th, 2010

2010年カリフォルニア・ビアンナーレが10月24日から2011年4月14日までの期間、オレンジカウンティー美術館(Orange County Museum of Art)にて開催され始めました。

http://www.ocma.net/index.html?page=current

カリフォルニア・ビアンナーレは州全土の多種にわたる、最も革新的コンテンポラリー・アーティストを選出し一同に展示するカリフォルニア州においては唯一の展覧会であり、米国のみならず、世界的に芸術愛好家とアート界で大いに期待を持って待たれるビアンアーレ展です。オレンジカウンティー美術館では既に40年にわたりカリフォルニアのアート分野に新たな展開を紹介し続けています。

2010年のカリフォルニア・ビアンナーレ展では約150のアート作品やインストレーションが選出されましたが、そのアーティストの一人に、KFYAがリプレゼントするアーティスト、パトリック・ウィルソンが選ばれ作品が展示されています。

St. Patricks Day by Patrick Wilson


現在、KYFAではパトリック・ウィルソンの最新シリーズ、「THE VIEW FROM MY DECK」より2作品を含む5作品を展示販売いたしております。ご興味のあられる方は是非ご自分の目で作品をご覧になりませんか?カリフォルニアの最も新しいアートシーンを東京でご覧になられる絶好のチャンスです。

また、同展ではKYFAが提携するMarx & ZavatteroがリプレゼントするTaravat Talepasandも選ばれております。

The Censored Garden by Taravat Telepasand

http://www.marxzav.com/artist.php?artistID=22

ご質問等あられましたら、ご連絡いただけますと幸いです。

円高の利用とアート

Posted in New!,Uncategorized by Administrator on the October 28th, 2010

本日は昨今ニュースで大変にぎわっているトピック、「円高」をアート購入とあわせて考えてみたいと思います。

10月25日には15年半ぶりの円最高値(1ドル=80円45銭)をつけたとのニュースが聞かれました。1995年4月に史上最高値であった79.75円にも近づいたものでした。今週はほぼ81円台後半での取引となっています。

そしてこの状況でよく聞くのは日本の大産業が大変な損害を蒙っているという悪いニュース。実際にトヨタでは1円の円高は年間で約3百億円の減収に繋がります。しかしながら、円高であることで私達が受ける恩恵があるのも事実です。

例えば海外の資産を購入する場合、仮に1ドル=100円(2008年3月当時)だったものが現状の1ドル=81円となっている場合、同時100万円だったものが81万円で買えるという事になります。この2年半の間に19万円もお得になったといえます。

私がお奨めしているアート投資はこの状況の場合大変ベネフィットを受けることとなります。アートはご自分の眼でみて楽しめるものです。所有することで生活が楽しくなったり、充実したりと心の癒しに繋がります。しかも、資産価値があるものを購入した場合、将来の価値が上昇していることも多いのです。

KYFAでは米国のアート業界で十分に評価のあるアーティストの作品を多くご紹介させていただいております。著名なコーポレートコレクション、プライベートコレクション、美術館にての購入されているアーティストの作品を現状の円高を利用して、皆様のアセットポートフォリオにお考えになってはいかがでしょうか。

ベトナム現代アート・ハノイ・Art Vietnam Gallery

Posted in New! by Administrator on the October 27th, 2010

初めてのベトナムは思ったとおりの素晴らしいところでした。ハノイに入り、世界遺産にも登録されたハロン・ベイ、山岳部ののどかなマイチャウ、歴史街ホイアンと訪れましたが、どの街も活気にあふれていました。


1986年に始まる経済開放政策 (ドイモイ) によって、急激な経済成長を遂げつつあるベトナムでは、現代アートも様々な分野で大きな盛り上がりを見せています。その中で、私がハノイで訪問したArt Vietnam Galleryをご紹介します。Art Vietnam Galleryはアメリカ人オーナーのスザン・レヒト女史が1994年にオープンしたベトナム人現代アーティストの作品を扱う大変素晴らしいギャラリーです。彼女はベトナムがまだまだ外国に必ずしも大きく門戸を開いていなかった時代に女性一人でArt Vietnam Galleryをオープンします。ベトナムに移住前のレヒト女史は東京に長年住んでおられたそうで、日本語も上手に操られます。彼女は初めて訪れたベトナムでベトナム現代アートに触れ、ビジネスをオープンすることを決意されたそうです。

ギャラリーは外の喧騒がうそのように静かで洗練されたところで、4階建てのモダンな建物の全ての階に彫刻、絵画がそれぞれの作品に合うように配され、飾られています。

レヒト女史が取り扱っている数多くのベトナム現代アーティスト作品の中から、幾つかを紹介いたします。伝統的な漆を材料に作られた作品からポリエステル製の彫刻まで幅広い作品となっています。これらには独自の文化、伝統をベースにそれぞれのアーティストの価値観が見事に表現されていると思われます。

私は個人的にNguyen Cam氏の作品にとても惹かれました。Cam氏は幼少時にベトナムを家族とともに亡命しフランスで成長。その作風には色濃く故郷であるベトナムが感じられます。氏は30年以上をフランスで過ごすことで西洋と東洋、精神世界と合理的世界、様々な分野で対照的なものを感じそれを表現しているように見えます。氏の作品は動画の1:30秒程から出てきます。対照的な色使い、荒々しい筆遣いで描かれる円、麻布のコラージュ。激しい中に禅の世界とも言える静けさが伝わります。

ハノイを訪れられる際には是非時間を作られて見に行っていただきたいところです。

カリフォルニアワインとモダンアート(その2)

Posted in New! by Administrator on the October 26th, 2010

クロ・ペガスに於けるモダンアート作品の中でも、誰もが知っているアーティストの作品は何と言っても、ワイナリーのエントランスの中央に展示されているヘンリー・ムアーのブロンズ彫刻「Mother Earth」です。ヘンリー・ムアーはご存知の通り20世紀を代表する彫刻家です。彼はそれまでの具象彫刻の世界に全く新しい風を起こした作家です。彼が創り出す世界は人間が元々持ちえている表現する力をあえてそのまま形にしたような、オーガニックなフォームです。極端に単純化された形はかえって表現されているもの、そのものの特性を見事なまでに表現しているのです。この彫刻を見ながらワイナリーの表の葡萄畑を眺めるとあらためて母なる大地の意味を認識できるような気がします。

また、エントランスを通り抜けてそのすぐ左手にはブロンズの大きな親指がにょっきりとブドウ畑から姿を現しています。

これはフランスの彫刻家、セザール・バルダッチーニによる「Pouce (Thumb) 親指」という作品です。大きな親指は大地からまっすぐに天に向かいのび、力強さを感じます。

エントランスを抜けると青々とした街路樹の並木がワイナリーの中庭を飾ります。

ビジターセンターの入り口前のスペースに横たわるのはイギリスの彫刻家、トニー・クラッグによる「Bodicea」。巨大な葡萄の房のようにも見えますが、実はヨーロッパ、ケルト文化の豊穣多産神を表したもの。ブロンズにより作り出された丸みを帯びた玉のようなものが、次から次に発生しているかのような姿は確かに豊穣多産を思わせます。

さて、いよいよクロ・ペガスワイナリーのビジターセンターに入ります。エントランスの左手にはリザーブルーム・ギャラリー。ここで最初に目を引くのはアメリカ人彫刻家、マイケル・スクラントンの作品、「Wrecking Ball」。高いリザーブルームの天井からぶら下がる大きなブロンズの球。この球が繋がるのは真ん中がちぎれそうになった紐(ブロンズ)です。

今にも落ちてきてしまいそうな危うさがなんとも言えずユニークです。

またこちらの部屋にはクロ・ペガスのスペシャルリザーブワインのラベルを飾るアートが展示されています。

このアートとリザーブワインラベルにはちょっと面白い話があるのですが、こちらはまた次の記事で。お楽しみに!

北海道旅行-札幌-札幌芸術の森

Posted in New! by Administrator on the October 22nd, 2010

札幌市の南丘陵地に位置する札幌芸術の森は様々なアートが自然の一部として展示される素晴らしい美術館です。今回の北海道旅行(9月)では札幌出身の友人が特にお奨めしてくれた場所でもあります。

広さ40ヘクタールに及ぶ敷地には北海道に自生する植物が出来るだけ自然な形で配置され、点在する素晴らしい現代彫刻作品となんともいえない美しいハーモニーを醸し出しています。札幌市内からすぐの場所にもかかわらず都会の喧騒を忘れさせてくれる所です。

札幌芸術の森にはいってすぐ眼に入ってくるのは池の上に浮かぶ白い物体。

これはマルタ・バン作、「浮かぶ彫刻・札幌」。ポリエステル製のこの彫刻は水の上に浮かび、風や水の動きで水面をあるときはゆっくりとまたあるときは素早くリズミカルに動いていきます。まるで風とダンスをしているかのようです。濃い緑を背景に刻々とその場所を移しその変化を見せる姿をみているとこの彫刻を作ったマルタ・バンが見る者に自然の中でこの彫刻を楽しんでもらいたいという意図が見えてくるようです。

この森を越えていくと初めて札幌芸術の森美術館の建物が見えてきます。ここにはフィンランド人彫刻家、ライモ・ウトゥリアイネンの「昇」が姿を現します。

美術館前の広場の中央にするりと立つこの彫刻は空に向い伸びています。中央でねじりを加えたその姿はアルミニウムの金属的輝きが美しく光り、また階段状に積み重ねられた面が少しづつ映すものの影を変え色を変化させています。

私が札幌芸術の森で最も印象深かった作品(群)の一つにイスラエル人彫刻家、ダニ・カラヴァンの「隠された庭への道」があります。これはアーティストがこの地を訪れ周囲の森、地形を作品の一部に同化させることで作品を完成させています。実際に歩きながらアーティストが意図した「体感するアート」を感じます。このアーティストの作品は別途動画にて皆様にご紹介したいと思います。

また、ノルウェーの彫刻家、グスタフ・ヴィラーゲンの彫刻群を展示する森の広場は札幌芸術の森訪問のハイライトとなりました。グスタフ・ヴィラーゲンが創り出す生命にあふれた彫刻は見る者の心の琴線に触れるものです。優しくやわらかい曲線。人間を暖かく見る眼で表すその作品は生命の美しさにあふれています。
 「母と子」ブロンズ
 「母と子」ブロンズ
 「トライアングル」ブロンズ
 「木の枝をすべりぬける少女」ブロンズ

ヴィラーゲンの彫刻群は美しい北海道の自然の中で生き生きとした生の喜びを表しています。ヴィラーゲンが生涯を通して表現した「愛、生、死」は見る人に自然に受け入れられるものとなっています。

札幌芸術の森には64人の作家、73点の作品が美しい自然の中に点在します。友人の話では冬の季節、雪の中にたたずむ作品を鑑賞するのはまた違った印象を持つとのこと。北海道の移り変わる四季のそれぞれの時間にこれらの彫刻はきっと色々な表情を見せてくれるでしょう。札幌芸術の森、ここには必ずまた別の季節に訪ねて今回見た作品群を是非鑑賞したいと思いました。

カリフォルニアワインとモダンアート(その1)

Posted in New! by Administrator on the October 14th, 2010

ワイン好きならずともご存知の方が多いと思いますが、カリフォルニアはワイン作りの大変盛んなところです。その中でも最も有名なのはナパヴァレーと思います。その広さは約174平方キロメートルにも及び、東京の八王子市とほぼ同じ広さということです。

このナパヴァレーにはサンフランシスコ在住ということもあり、ほぼ毎月のように訪ねていますが、数多くのワイナリーの中でもClos Pegase (クロ・ぺガス)は美味しいワインをいただけ、また20世紀を代表するアーティスト達の作品をまさに目の前にして楽しめる大変美しい場所です。

クロ・ぺガスが展示する作品は花崗岩、ブロンズ、大理石や木で出来た彫刻、油絵、水彩画、コラージュ、またその建築物自体と様々な分野に及びます。先ずここに来てすぐに目に入るのは建物。これはアメリカのポストモダニズムの代表的建築家、マイケル・グレイビスによるものです。黄色とオレンジ色をベースにシンプルでありながらエレガントさも兼ね備える建物はどこか古代ギリシャやローマを彷彿とさせるかのような円柱と中央の大きな吹き抜けを持つエントランスがナパバレーの美しい青空に本当によく似合っています。

クロ・ペガスのアート展示はパーキングから既に始まります。先ずパーキング左手にはRobert Morrisの彫刻作品「Three L Beams」とTony Smithの彫刻作品「Marriage」があります。Three L BeamsはRobert Morris回顧展がグッケンハイム美術館で行われたときの目玉作品でもありました。

その後、幾つかの作品がエントランスまで続きますが、その中でひときわ目に付くのが、George Rickeyの「Two Lines Up Oblique」というステンレス製の動く彫刻。
ナパのブドウ畑に爽やかに吹く風が作品にユニークな動きを与えます。そこには四季折々に変化する周りの山や畑の景色を舞台にステンレスというシャープな金属光を放つ作品がダンスを踊っているような雰囲気です。

またすぐそばにはCardenasの大理石彫刻、Memory of Dreamsがおかれています。これは柔らかな曲線とオーガニックな形をした白い作品で、ヘンリー・ムアーに多大な影響を受けたといわれる作家の力強くもはかないものを現す、まさに夢の名残のような作品です。

また、ワインセラーの前にはJean DubuffetのFaribolousというロボットシリーズの作品。アーティストとして身を立てる前にはワイン販売業を生業にしていたというユニークな経歴を持つこの作家はこの作品にどのような気持ちをこめたのでしょうか。

つづく

Davis&Davis日本限定Samll Print発売のお知らせ

Posted in New! by Administrator on the October 9th, 2010

この度KFYAでは、7月に来日されたアメリカで活躍するフォトグラファーDavis&Davisの代表作シリーズ「Childish Things」より、日本限定でSmall Printサイズ(14インチx11インチ・355.6×279.4mm)が販売可能となりました。

これはDavis&Davis来日レセプションの際にお客様から「日本の家でも簡単に飾れるサイズの作品」や「大きな一つの作品だけではなく、出来れば何枚かのシリーズで飾る為に小さいサイズの作品」をというリクエストに基づき、世界限定5部として発表されたものです。アメリカのミュージーアムにも収蔵されるアーティストの本物の作品をこの機会に是非コレクションに加えられてみませんか?

KFYAではこの中から29作品をスライド動画として作成いたしましたので、是非ご覧下さい。

ご興味のあられる方、ご質問は是非お気軽にKYFAまでご連絡下さい!

email: k_yokoo@kenjiyokoo.com
web: http://invest-art.kenjiyokoo.com

写真を楽しむ

Posted in New! by Administrator on the October 1st, 2010

現在発売中の雑誌、Penにおいて「撮る」「見る」「買う」の楽しみ方が分かる写真の学校という面白い記事がありましたのでご紹介します。(No.276 10/1/2010)

これは私見ですが、写真を撮ることは昨今のデジタルカメラの普及で簡単に出来ることが可能になった現在、あまり意識をして写真を撮らなくなっていることが多くなっていると思います。技術革新のお陰でみんなが普通に綺麗な写真を撮れるし、コンピューターのソフトを使えばいらないものを消したり修正したり。。。これはとても便利なことですし、新しい写真の可能性を拡大していると思います。この号のPenではその写真にもう一度フォーカスを当てて、アートなこととしてみてみましょうという特集です。

それでは先ずは「撮る」。Penでは4人の写真家に撮影の極意を聞いています。その中の一人上田義彦氏は外国の風景、ポートレートの名手で、彼が語る撮影のポイントは「なんでもない風景にも新鮮な何かを感じ取れる、その場に滞在してから数日以内に数多くシャッターを切るべし。自分の気配を消して、静かに対象に向かうこと。自分が好きなカメラで撮るのも大事。何より不可欠なのは、撮る人の感動や喜びだ。」そうです。彼が写し出す世界は確かに静かでありながらも、どれもが力強い世界です。

また静物を独特の世界で大変美しく写し出すのは泊昭雄氏。彼が撮る静物は単に物であるはずなのに、そのモノは美しく、氏の言葉を借りると「上品」なんです。どのようにしてそのように撮るのかのポイントは「面ではなく、線で捉えよ。一つの線を捉えることで、モノの本質を捕まえられる。絞りを『開放』にして近づくことで、一本の線は浮かび上がってくる。」という。被写体は静物であるがそのモノの「佇まい」を見るそうです。その視点ではモノも光も現場の全ては等しく大切で、それらの「佇まい」が合ったときにシャッターを切ると泊氏は語ります。

さて、次に写真の「見かた」としていま面白い写真とはどんなものかということで、写真の目利きの人たちにインタビューをしています。ニューヨークでギャラリーを経営するヨッシ・ミロ氏は「一度見たら忘れられなくなるような、記憶に刻み付けられる写真」や「作家がどれだけの人の心に響く表現が出来るかということ」がアートとしての作品を見るポイントだといいます。

また、町口覚氏と姫野希美氏の対談インタビューで写真批評家の竹内万里子氏は「世の中では「わかりやすいこと」がもてはやされているけど、写真を見るときにはわけがわからない状態をどれだけ楽しめるかというのが一つのコツ」と話す。町口氏は「写真を見るじゃなくて「読む」」のだと言う。また姫野氏は言う、「ただ写っているものをを見ているわけでもない。では何を見ているのかという疑問は常にあるんだけど、そこに写真を見る行為の快楽を感じているし、怖い部分でもある」と。そして対談の最後に竹内氏は「見る人が自分の中に流れている時間だとか、自分が置かれた場所を意識しながら写真を見ることも、すごく大事だと思う」と述べ、町口氏は「ただ見せられていもだめ。見せられることと見ることは全く違う」とし、姫野氏は「そういうことに気をとめることで「見る」ということが立ち上がってくるのではないでしょうか」と結んでいる。

私もアートを扱わせていただく者として「写真」を「見る」ことはよくあります。それは決して難しいものではないと思っています。分かろうと思う必要はなく、ただ「見る」こと。写されているもの、時間、空気等が感じ取れませんか?そこには色々な感情、それは見ている自分のものかもしれないし、写されているモノからのものかもしれませんが、その写真が撮られた瞬間を感じてみてください。その瞬間は既に過去のことでありながら写真というモノを通して私達は見ているのです。作品は綺麗であったり、怖かったり、和んだり…、色々な湧き出す感情を大切にしてみて下さい。これが「読む」ことなのではないでしょうか。

最後に「買う」について写真を現代アートとして購入することの記事からです。

ニューヨーク・タイムズ・マガジンフォトディレクターのキャシー・ライアン氏は「アートといわれる写真は実在の世界から何かを抜粋して抽象的なイメージの作品をつくること。斬新かつ思想的な視線を持ってテーマに対する最高のコンセプトを生み出した時はとても素晴らしい作品になるのです」と言う。よい写真の基準とは「心が動かされるものです。写真自体に力強さがあり、また、美しい構成や光、そして色調……。純粋なアートでもある。そうした心が動く作品こそよい写真であり、見る者に訴えかけるものとなるのです」と語ります。

私もライアン氏の述べていることはまさにその通りだと思います。アートとして写真を考える場合、先ずその作品が見ている人の心に響くかどうかだと思うのです。是非実物の写真、オリジナルプリントを見てください。その質感や空間を体感してみて下さい。どのように美しく印刷された写真集でも実物の写真とは比べられません。オリジナルを目の前にすると全く違った感動を感じられると思います。

ただ、対談記事では「日本でも写真に興味を持つ人が増えているがアート市場は未成熟であると言わざるを得ないとし、日本経済は製造業で成り立たず、これからはアートや文化的ソフトが日本経済への影響力を増していくと思う」とも述べられていて、これからの日本のアート界への貢献をも示唆されています。

確かに昨今はアートとしての写真展が大変人気を集めていますね。私もこれは素晴らしいことだと思います。「買う」については後述するコレクターでも触れますが、写真アートは現代アートの中でも大変注目を浴びていますし、興味がある方には入っていきやすいものだといえます。

また本特集の中には「コレクターが伝授、飾る写真という発想」は特に日本のコレクター、またはこれから写真コレクションを始めたいという方にはぴったりの記事でした。

私のお客様から時々聞かれる質問の一つに「作品を購入したいのだけど、飾る場所がない」ということです。確かに日本の住宅は大きな壁があまりなく、また興味のある現代アート作品が現状の家のインテリアに合わないと思われる方もおられます。ただ、私はこれは発想の転換の問題だと考えます。

記事では2コレクターのことについて書かれていますが、これらニューヨークのコレクター達はインテリアの一部としてごく自然に写真と暮らしています。写真は現代アートとしての地位を確立してはいますが、これから現代アートのコレクションを始めたいと考えられている方にとっては価格的にも大変魅力的です。NYMOMAやテートモダンなどに収蔵されている作家の作品と同じものがご自分の家で普通に見ることが出来るって素敵じゃありませんか?勿論、既に評価の定まった著名な作家の作品は写真といえどもかなり高額にはなりますが、最初はもっと楽に考えて、まだ若い作家や中堅の作家の作品は数万円から数十万円の範疇で入手することも可能です。また、一点の作品だけではなく、数点の作品を同時に飾るというのも写真作品であればこそ可能なことであると思います。

先程、発想の転換といいましたが、これなんだと思います。私は日本人ほどアートが好きでよく展覧会に行くという文化は他には無いように思います。それほど日本人にはアートが受け入れられているのだと思います。ところがアートのコレクション(実際に自分で所有する)となるとよっぽどの富裕層の方達だけのことと思われている方が多くあります。

先ずは一つでもいいですので気に入ったアートをご自分の家に飾ってみて下さい。その一つの作品が持つ人に与える影響は無限のように思います。よい作品は見る人(特に所有者)が違った気分、状況で変化して見えたりしますし、ずっと長く所有していてもあるとき突然全く見えていなかったことが見えてくることがあったりするのです。ですので、写真ほど親しみ深く、入っていきやすいアートは他にはないかもしれません。また写真作品にはサイズの別エディションがあったりして、オリジナルでも小さめのサイズがあったりすることがあります。それであれば、大きな壁で悩んでおられた方の問題はある意味解消するのではないでしょうか?

このトピックを選んだからではありませんが、7月に来日されたアメリカの写真家Davis&Davisから日本の皆さんへ特別に「Childish Things」シリーズから一回り小さい作品群がオファーされることとなりました。

この小さい作品はDavis&Davisのレセプション時に多くの参加ゲストから日本の家にも楽に飾れるサイズはないですかというリクエストに対しお二人が特別に5エディションだけ作成されたものです。しかも、同シリーズのうちの29作品が入手可能という素晴らしい企画です。詳細につきましてはKFYAのサイトにて別途お知らせいたしますが、ご興味のある方はお早めにご連絡をいただければと存じます。